5月29日(木) 地層をみる・調べる 〜堆積岩地域の観察方法とその記録法〜

質問・感想用紙より

みなさんから頂いたコメントを分類して,少しずつ更新しています。すべてのコメントをしっかり読んでいますが,全部を取り上げることができませんので,その点はご了承ください。

クリノメーターの使い方について

みなさんからのコメント

傾斜のあとにつくNやSは真東や真西を向いたときはどうするんですか?

私からのコメント

傾斜は走向に対して必ず垂直方向になります。したがって,走向が南北に近いときには東西のどちらかの方向に下がっていますので,20°E(または W)のような表記に,東西に近いときは南北のどちらかが下がりますので,20°N(または S)のような表記になります。

質問いただいたようなケースは,走向がおそらく南北方向でN-Sであると考えられますので,傾斜は20°E(または W)という表記になると考えられます。


みなさんからのコメント

途中で既存のデータと比べるとという内容がでてきましたが,そのデータはwebページにのっているのでしょうか?

私からのコメント

データの種類によるかと思います。走向・傾斜については,地質図に記載されていることが多いです。地質図では,T字の記号で表現されるのが一般的です。

読み方については,事前にフィールドノートに貼ってもらったプリントの中に走向・傾斜の記録法というところがあるかと思います。右側にあるルートマップではと書いた中にあるものです。

T字の長い棒が走向を表し,短い棒が傾斜を表しています。地図の上が北であると仮定すると,図では走向: N30°E 傾斜: 40°Eになっていますので,長い棒が真北から東へ30°傾き,東側に40°で傾いているため,東側に短い棒をつけ40°と書いています。

この読み方をマスターして,地質図と見比べてみてください。Webで見られる地質図については6/1分の参考リンクでリンク先を紹介しています。今回の場合は,走向・傾斜のデータがある表層地質図の方がよいと思います。画像が少し粗く数字が読みにくいですが,おおよそのデータはわかるかと思います。もっと見やすいものが必要でしたら,尋ねてください。


みなさんからのコメント

地層がゆがんでいるときは,どのように走向や傾斜を測ればよいのか疑問に思いました

私からのコメント

地層は確かにどこでも真っ平らというわけではありません。そのような場合には,露頭全体をしっかりとながめて大きな構造をつかんだ後平均的な平面である場所を測定する必要があります。曲面であると判断したならば,小平面の集合と見なして個々の平面を測定していく必要があります。


みなさんからのコメント

クリノメーターの作業は楽しかったが,空間図形を頭に描くのは大変だった

私からのコメント

野外で地層を観察し調査することは,空間概念をつかむことであるといっても過言ではありません。今回は壁や机で構成される3点より,実際には見えない平面を作り出す練習をしました。実際の露頭においても,同じ地層をしっかりと目で追っていき,3点を見つけて平面を構成して走向・傾斜を測定することになります。これをしないで,いきなり露頭に近づいて測定を始めると誤ったデータをとってしまう危険があります。なかなか難しいことですが,練習を重ねて慣れていきましょう。


みなさんからのコメント

クリノメーターの使い方がわかった。裏のやつが気になる

私からのコメント

クリノメーターの裏についている目盛は,目標物までの仰角を測るためのものです。筒状のスコープを引き出し,目標物に狙いを定めます。そのとき表側についているボタンを押して離すと,メーターの針が見上げた角度を指します。あとは,その目標物までの水平距離がわかれば,三角関数を用いて高さを求めることができます

そのうち時間があれば,実際に測定を行ってみましょう。

レポートに関して

みなさんからのコメント

レポートの書き方もよくわかったので,地図の加工の仕方を確認しておきたい

私からのコメント

レポートの条件となっている地図ですが,閲覧に便利なフリーソフトで『カシミール3D』(杉本 智彦 氏 作)というものがあります。このソフトでは,国土地理院がWeb公開している地形図閲覧サービスウォッちず』をより便利に閲覧できますので利用を検討してみてください。

6/3 追記

近々,地図の加工の仕方について,Webページに掲載したいと思いますが,詳しく知りたい方は,ノートパソコン持参で気軽におこし下さい。


みなさんからのコメント

レポートの書き方の話をしてくれて嬉しかった

実習の目的やレポートの書き方など分かりにくい事を説明していただいたのでとてもよかったです。

私からのコメント

レポートの書き方はあまり教えてもらえませんので,あえて取り上げることにしました。なかなか,私としてもそのあたりは勇気のいることなのですが...。今回取り上げたことがすべてではなく,私の考えを伝えただけですので,いろいろな書き方を調べて自分なりのスタイルを確立してもらえればと思います。

目的についても同様です。どうしても作業手順や結果ばかりに目がいきがちですが,どのようなことを目的としているのかを常に意識して実習に取り組むことにより,作業方法などが変わるでしょう。これは,今後大学生活の中で,教育実習や卒業研究などできっと役立つものと信じています。まずは,今回のレポートで意識を高めてみてください。

プレゼンテーション・授業について

みなさんからのコメント

後ろの席にすわっているとスライドの細かい字が見えないです。

私からのコメント

結論から申し上げますと,そこは読まなくて良いということですので安心してください。実は,読まなくても良いところや,あまり読んで欲しくないところは,意識的に細かい字にしてあります。このサイトに掲載している使用したプレゼンテーションのファイルを実際にダウンロードして読んで見てください。どうでも良いつぶやきなんかが書いてあることがわかるかと思います。

どういうことかは7/3(天候によっては6/26)の実習で,プレゼンテーションの方法についてはふれますので,そこで詳しく説明いたします。お楽しみに!!


みなさんからのコメント

少し説明が早いと思います。もう少しゆっくり説明して下さい。

パワーポイントの最後の方が早くて写せなかった

私からのコメント

クリノメーターの使い方のところは,特に速くなったかなぁと反省しております。プレゼンテーションソフトを使うと,話を構成していくのには大変便利なのですが,時間的に余裕が無くなるとどうしても話が速くなりすぎることがあります。

次はまだスピードを落として話すよう,もう少し強めに意識してみたいと思います。

なお,写せなかった部分については,掲載しているプレゼンテーションファイルをご覧ください。

歩測について

みなさんからのコメント

歩幅が人と比べると全く違うのでおもしろかったです。私は歩幅が大きい方だとわかりました。

自分の歩幅がものさしになるなんてとてもおもしろいと思いました。

私からのコメント

なかなか使わないことなのでおもしろいですよねぇ。身長は意識すると思うのですが,今回ふれた歩幅のほか,腕の長さ,手の大きさなど自分の体を使って大まかに計測できます。

これらの長さは知っておいて損しないと思いますので,実習以外にもいろいろな場面で使ってみてください。


みなさんからのコメント

歩測をどれくらい細かく計測すればいいのか分からなくて少し困りました。たとえば半歩をどう扱えばいいのかとか。けっこうアバウトなものさしだからそれほど気にしなくていいということでしょうか?

私からのコメント

意外と難しいですよねぇ。どのくらい同じ歩幅で歩けるかもわかりませんしアバウトなものさしなのでそれほど気にしなくても良いと思います。

ただ,半歩のずれが重なっていくと誤差が大きくなりますので,50mの平均歩数を出すとき48.5歩のように小数点以下をつけて扱った方が良いかと思います。

講義資料

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